今回は、テレビ朝日系列で1982年10月16日に放送された土曜ワイド劇場・混浴露天風呂連続殺人1~婚前奥伊豆旅行~、他、同シリーズの感想と紹介を書いていきます。
この混浴露天風呂連続殺人シリーズは、土曜ワイド劇場で全26作(1982年~2007年)放送されてますが、その前にピンクハンターと言うタイトルで2作放送されてます。
要するにピンクハンターとして2本作ったけど、キャラクターと設定を受け継いで、混浴露天風呂連続殺人としてリニューアル(テコ入れ?)したってわけです。
そのため、前作のピンクハンター2~殺人ゆき新婚旅行~がどんな終わり方をしたのか知りませんが、山口かおり警部補(木の実ナナ)がマニラから成田空港に帰ってきたところから始まります。


山口かおり警部補は、警視庁原宿分室勤務ですが、マニラでの功績が評価され、5日間の休暇が与えられます。
一方、左近太郎警部(古谷一行)は、山口かおり警部補に婚前旅行に行こうと誘いますが、分室長の大平警視に、仕事一途を命じられます。
その夜、一緒にスナックを訪れた左近と山口は、ウエイトレスで母が奥伊豆で温泉宿を営んでいると言う宗形明子と再会。
宗形明子は、母に彼(立川真一)を紹介したいと言い、山口は同伴する形で、奥伊豆に温泉旅行に行きます。
中伊豆まで来た頃、謎のヒッチハイカーを発見。
車に乗せてあげようとなったところ、そのヒッチハイカーは左近太郎警部でした。
左近は、「母 危篤」の偽電報を用意し、警視をだまして、やって来たのです。
女のためには手段を選ばないと言う大胆さも、時には必要なのかもしれませんw
この結果、左近、山口、明子、真一の4名で、明子の実家、奥伊豆・旅館「白仙楼」に到着です。
ここ白仙楼は、混浴露天風呂を3つも備えた温泉宿です。
白仙楼には町の劇場でショーダンサーをしている女性3名(温泉ギャル)も骨休めに来ていました。
本日の夕食は、イノシシの肉を使った「ぼたん鍋」。
天井から鍋をぶら下げ、槙で焼く、本格的な鍋です。
こりゃ、温泉ホテルではなく、完全な温泉宿ですなw
この温泉宿には不動産屋の南條も部下を連れてやって来ていて、白仙楼の買収を企てています。
南條は、白仙楼を一大リゾートホテルに改築し、交通の便も良くするため道路も拡幅したいそうです。
しかし、明子の母で、女将の宗形八重子によると、そう言う話は「お断り」だそうです。
それと、どうも、不動産屋の南條のグループは、ガラが悪いw
それとは別に、ショーダンサーの朱美の母・田辺夕子は、15年前まで、ここ白仙楼で働いていたが、行方不明になっているそうです。
うさん臭さが最高潮に達したところで、ストーリーの紹介を終えますw
次は、ややネタバレ解説です。
その前にCMw
この「混浴露天風呂連続殺人1~婚前奥伊豆旅行~」では、死体は合計5体発見され、うち4体は混浴露天風呂で殺害されたものです。
また、殺人動機には痴情のもつれも絡んでいます。
バカっぽいタイトルながら、きっちりタイトルを守った内容となっています。
まさに、タイトルに偽りなしw
ショーダンサーの女性3名も良い感じに、話を盛り上げてくれます。
このシリーズを通して言えることかもしれませんが、良い感じに、はっちゃけてます。
高度経済成長期の日本を象徴するような、何でもありな感じが良い味を出してます。
シリーズで見ると、旅先には、ショーダンサーの他、セクシーモデルや女子大生、また、お供には、カメラマンや盗撮魔がいることもあり、話を盛り上げてくれます。
ちなみに、盗撮魔を発見したとしても、
「キャー」
とか言って隠したりせず、
「ちょっとお!?」
とか言って、怒りながら近づいて行くので、むしろ、よく見えますw
また、左近警部や山口警部補が異性風呂を覗くこともあれば、女子グループが男湯に乱入することもあります。
元気な日本を見られるシリーズですね。
今でも人気のシリーズで、いろいろな局を通じて、放送されているようです。
面白いですよw
ただ、事件としては、あまり真剣に考えない方が良いかも。
どの作品とは言いませんが、
「いくら、元体操教師とは言え、そんなご老人が、死体かかえて、2キロも山道歩けるかよ」
と、言いたくなる作品もあります。
ちなみに別の作品で、鉢山部長刑事は、こう言っています。
「いやあ、参りました。
最終のバスで降ろされたバス停から、山道を延々と3キロ。
真っ暗闇で何も見えない。
一時は熊の餌食になるやもと。
この心細いことと言ったら…」
だそうです。
やっぱり、ご老人に夜の山道を死体かかえて2キロも歩かせるのは無理ですよw
でも、面白いのです。
良いシリーズですよw
同シリーズ5作目の「湯けむりに消えた女三人旅 田沢湖から乳頭温泉へ」は同シリーズのみならず、土曜ワイド劇場全体でも歴代最高視聴率をたたき出した作品です。
ストーリーは、左近警部との結婚まで1ヶ月を切った山口警部補が、結婚前に最後の女子旅に出かけると言う内容です。
もちろん、そこでも殺人事件が起こるわけで…。
この、混浴露天風呂連続殺人シリーズは、原宿分室時代の第1作~第14作の前期と、第15作から第20作の浅草分室に異動になった後期前半、第21作から第26作の再び原宿分室に戻ってきた後期後半に分かれます。
前期は、混浴露天風呂でわちゃわちゃしたり楽しい雰囲気ですが、後期前半は浅草分室に異動になり分室長も変わって、どうも好きにはなれません。
刑事ドラマ色が強くなりますが、、前期のように、
- 参加中のツアーで殺人事件が起こる
- 温泉ギャルに
「私こわいんです。一晩だけでいいんです。泊まってってください」
と、お呼ばれされたら、そこが不穏な空気が漂う大地主の屋敷で、殺人事件が起こる
(当初から怪しい人はいたが、温泉ギャルに遺産が舞い込むと考えると、一瞬疑ってしまったw) - 北海道での要人警護中に殺人事件が起こる
(古谷一行は、この回に出演する温泉ギャルの誰かと不倫して、暴露されてしまったらしい)
と言う風にバリエーションが豊富なわけではなく、後半は、容疑者や重要参考人を追って行く(探して行く)と言うパターンが多く、バリエーション不足ですw
前期のように温泉ギャルがストーリーに大きく関わってくることもなく、後期前半第19作では混浴露天風呂で連続して温泉ギャルの幻を見ると言う実体すらない話もあります。
個人的には、断然、前半推しですw
土曜日のテレビは、1969年10月4日~1985年9月28日までは、「8時だョ!全員集合」、1986年1月11日~1992年3月28日までは、「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」(切り替え前の空白期には、全員集合の総集編など)と、土曜8時は子供の時間でした。
1977年7月2日から2017年4月8日までは、土曜9時から、この土曜ワイド劇場が放送されました。
学校の週休2日制は、1992年9月から段階的に導入されていき、完全に実施されたのは2002年4月からです。
要するに、当時の子供は、土曜日でも午前中は通学する必要があり、夜更かしが許されたのは土曜日の夜だけでした。
当時は娯楽も限定的なため、土曜日は8時からドリフ、そこからハシゴして、9時から「土曜ワイド劇場」の3時間コースだった子供も多くいました。
土曜ワイド劇場は、子供も見る番組だったんですよw
(当サイト、オリジナルの見解を含んでいる可能性があります)
僕の好みの話は、シリーズ第9作「宇奈月温泉 〜 黒部峡谷 〜 大牧温泉」です。
ストーリーを紹介します。
富山県魚津市のスナック「蜃気楼」で働くホステス「山崎智恵」(28歳)が魚津市の海岸で他殺体となって発見されました。
捜査の結果、被害者と内縁関係にある調理師の木田義夫(36歳)を重要容疑者として、富山県警は全国に指名手配しました。
富山県警の調べで、木田義夫が東京都内に潜伏していることが分かったため、警視庁・原宿分室で木田義夫を逮捕する運びとなりました。
部下の近藤と共に、「割烹芳乃」前で木田の逮捕に成功した鉢山部長刑事。
木田は、逮捕した鉢山部長刑事と部下の原田により、富山に護送されることになりました。
上越新幹線で長岡、長岡からJR北陸本線特急により富山を目指す、電車での護送です。
JR北陸本線・魚津まで順調に護送していましたが、富山前にトイレに行きたいと言い出した木田に、隙を突かれて魚津駅にて逃亡を許してしまいました。
また、部下の原田は、今回の件により入院w
窮地の鉢山部長刑事を救うため、富山空港まで空路で駆け付けた左近警部と山口警部補。
一方、鉢山部長刑事は、富山県警本部で朝倉警部に、ぐちぐち小言で攻められていました。
合流後、いつもの3人と、富山県警・朝倉警部の4人で、魚津市のスナック蜃気楼に訪れると、ママの吉沢光代らは事件の験直しに、宇奈月温泉に旅行に行ってるとのこと。
さらに、宇奈月温泉ホテルニューオータニに着き、ボーイに尋ねると、ママの吉沢は河原(鐘釣河原?)の方に出かけたようだ、とのこと。
左近警部は露天風呂(鐘釣河原露天風呂?)に、鉢山部長刑事はママを探しに、河原に向かいます。
左近警部は露天風呂でOL4人組と出会いますが、鉢山部長刑事はママを発見することができません。
鉢山部長刑事は、野山を駆けずり回っても、はいずり回っても、木田を逮捕する意気込みで山に入っていきます。
一方、黒部渓谷鉄道の乗務員が、木田が山へ逃げ込んだのを目撃。
偶然にも、鉢山部長刑事が木田を逮捕するために入り込んだ宇奈月の山中に、木田がいることが判明しました。
富山県警は総出で山狩りをすることにしますが、そのかいむなしく、木田を発見できないばかりか、鉢山部長刑事は、その山で遭難してしまうことになるのでした。
後期後半の第23作の冒頭も良いです。
原宿分室長の大泉純一警視がハワイへ研修旅行に参加してる間、分室長代理を任された左近太郎警部。
その記念すべき1日目に事件が発生します。
原宿のマンション「ゴールデンビュー神宮前」にて変死体が発見されたのです。
亡くなったのは宇都宮で建築会社を経営している「前田幸三」(43歳)。
宇都宮の人間が、愛人の安西桂子のマンションの浴室(バスタブ)で溺死体で発見されたのです。
前田さんの死因は窒息死だけど、後頭部には打撲傷がある状態でした。
前田さんは、風呂に入って滑って、頭を打って気絶して、風呂の湯におぼれたのか(事故死)、花瓶で殴られて気絶して、風呂に運び込まれたのか(他殺)、分からない状態でした。
(現場には割れた花瓶もありました)
鑑識も、大量の水を飲んでの窒息死ではあるが、後頭部の打撲については、風呂場で転んでぶつけたものなのか、何か鈍器で殴られたものなのか、ハッキリしないとのこと。
左近分室長代理は、事件から3日たっても、事件なのか事故なのか判断を下せない状況でした。
追い詰められた左近分室長代理は、ついに倉本警部補のことをなぜか倉本巡査部長と呼んだあと、
(左近)
「クソ食らえだ!
この3日間、俺は必死で分室長代理の責務を全うしてきた。
しかし、もう限界だ。 俺はブチ切れた。
こんな仕事は俺に向いてないと言うことが、よ~く分かった。
はあ…。 良し! 俺は行くぞ!」
(倉本)
「行くって、どちらへ?」
(左近)
「捜査だよ、捜査。
この事件は明らかに殺しだ。
俺たちは刑事だ。
現場だ、現場」
(倉本)
「そのお言葉をお待ちしておりました。
で、どちらの温泉から始めましょうか?」
(左近)
「バカ、まずは被害者の奥さんに会うのが先決でしょう?
前田麻美さんは………宇都宮か?」
(倉本)
「宇都宮と言えば、鬼怒川温泉が近いですね、確か」
(左近)
「そうだねえ(悪い笑顔)」
と言い、分室長の席を空け、前田の奥さん(麻美)に話を聞くために東北新幹線で宇都宮に向かうのでした。
宇都宮駅に着いた直後、いきなり、
「腹が減っては捜査はできないよな?」
と言い、部下の倉本(警部補?巡査部長?)と2人で、宇都宮餃子館 駅前中央店にて餃子を2人で10人前も食べ、被害者の奥さんの前田麻美が副社長を務める「しもつけ建設」に向かうのでした。
最後に、シリーズ第7作「OLいいたい放題ツアーと謎の美女」のラストシーンのセリフを紹介して終わりましょう。
事件が解決し、謎の感傷に浸る、いつもの3人(左近警部、山口警部補、鉢山部長刑事)。
すると、突然、露天風呂から左近警部を呼ぶ声が…。

太郎さあん?

うん?

また、会いましょうねえ

はっはっはっはっ(笑)、元気でなあ
ほおら、見えちゃう見えちゃう

いやあん、エッチ!

はっはっはっはっ(笑)、なにがエッチだ
ええ? 見せたいんだろ?
のぼせるなよ ははははっ(笑)

はははっ(笑)
しかし、まあ、若い子たちは元気が良いわあ
その後、山口警部補と、鉢山部長刑事は、その場に左近警部を置いて、2人で東京に戻るところで物語を終えます。
ちなみに僕も、温泉ブログを開設しています。
良かったら見てください。
最後にひと言だけ。
この物語は、スーパー・ハンサム・ガイ「左近太郎」と、
彼を取り巻く美女たちの
愛と温泉とポロリが満載のサスペンスである
ほななw




